こんにちは。タカヤマタクマです。
今回はコールセンターの裏方である、運営の仕事について書きたいと思います。
コールセンターの良し悪しは、運営の仕事ぶりで決まると言っても過言ではありません。
田端信太郎氏の営業企画論
まず先日インフルエンサーとして有名な田端信太郎氏のこんなツイート見つけました。
営業と営業企画の違いわかりますか? あなたの会社は、営業マンを援護射撃なく、ただ突撃させていませんか? >今後のニーズが高い【営業企画】について解説します @タバラジhttps://t.co/4Wzeh5qCli @YouTubeさんから
— 田端信太郎@田端大学塾長である! (@tabbata) December 5, 2019
いきなり営業企画の話が出てきて、一体どうしたのかと思われたかもしれません。
後で話を繋げる予定ですから、ぜひ最後までお付き合いください。
まず営業企画とは、営業活動がうまく行くために、様々な企画を立てたり戦略を練る仕事です。
田端氏は営業が歩兵だとしたら、後方からの砲撃や低空飛行での援護射撃の役割に例えていました。
よくある話として、ある会社で成績トップの人が他社に営業職として転職しても、他社では良い成績が上げられない場合があります。
田端氏はこうしたケースを挙げて、営業企画が優れた仕事をしている場合は、個人の能力を越えて結果が出やすいものだと語っています。
ある人から「営業経験がないと営業企画は難しいですか」と質問されていましたが、田端氏は営業経験は必須だと回答しています。
私はコールセンターの運営に関しても全く同じ考えです。
しいて言えば運営管理のトップだけは、必ずしもオペレーター経験は必要ないと思います。
それ以外の人はオペレーター経験がある人か、もしくは現場で経験を積んでから運営の仕事をした方が、コールセンター全体で高いパフォーマンスを発揮できると思います。
運営にもオペレーター経験が必要な理由
ではなぜオペレーター経験があった方がいいのか
私はこれまで15年間コールセンターの仕事をしてきました。
その中で運営管理から全く見当違いな施策が下りてきたと感じることが多かったからです。
コールセンターの運営管理の仕事は多岐に渡ります。
オペレーターの勤怠管理を行う事務、ナレッジシステムの改善やメンテナンスをするエンジニア、QC担当、数値を管理して委託元の会社と折衝する担当者、研修担当者、種類が多すぎて挙げきれません。
しかし誰もが多かれ少なかれ、現場に出す指示の意思決定に関わっています。
一般に運営管理の人は、オペレーター経験者があまりいません。
するとどうなるかというと、現場では機能しない指示がおりてきて現場が混乱します。
まるで営業経験がない人が、営業企画を立案するようなものです。
オペレーターが歩兵だとしたら、歩兵が相手を攻略できるように全体の作戦を組み立てるのが、コールセンター運営の仕事だと思います。
現場のことを分かっていない人が運営の仕事をしている場合、援護射撃どころか、歩兵の背中を撃ったり無茶な箇所に突撃させたり、そういうことが多いと思います。
しかもそれを運営管理の人は、良かれと思って判断しているのです。
実は運営管理の中にオペレーター経験のある人が混じると、その人の存在によって現場に降りてくる指示が少しだけ現実的になります。
しかしそれにも限界があります。
私はオペレーター出身の運営管理の人に、苦労話を聞いたことがあります。
現場では当たり前のことであっても、経験のない人にはどうしても理解してもらえないことがあるんだそうです。
どういう違和感があるか
運営管理の仕事が、なぜオペレーター経験がないと効率が悪くなるのか、まだ実感が湧かない人に例え話をしたいと思います。
例えば海外から日本に来たばかりの人が、ペットのアンケートを作成したとします。
アンケートの項目に「飼っている動物は何ですか」という質問があって、以下の4択だったらどう思うでしょうか。
犬、豚、ロバ、その他
このアンケートをそのまま実施したとしたら、質問された側も怪訝な表情を浮かべると思います。
私が現場経験のない運営管理が出す指示に対する違和感は、こういう種類のものです。
私は現場経験のない運営が運営施策を立案することに自体に無理があるように思います。
こういう不信感がオペレーターのモチベーションを著しく下げることを、運営の人は知っておいた方がいいかもしれません。
先程私はトップの人だけがオペレーター経験がなくてもいいかもしれないと申し上げました。
トップはコールセンター全体のビジョンを示すことが仕事です。
しかしコールセンターの運営管理担当者は、現場の機微を知っているかどうかで、実業務に差し障ることも多いと思います。
そして運営の人は会議などにおいて、トップに現場の状況を伝えて、トップが示すビジョンの精度を上げる役割も担っています。
組織としての一貫性を保つことができれば、コールセンター内の問題が起こりにくくなります。
実は求められるスキルはそれほど違わない
では最後に運営スタッフを採用する時のことを書きます。
私がこういう提案をすると、運営管理とオペレーターでは要求されるスキルと違うという意見が出てきます。
では運営管理にどういうスキルを要求するのかと言うと、単なる事務スキルであったりします。
管理スキルという人もいますが、管理スキルとはとてもあいまいなもので、多くの場合は経験の有無ばかりが重視される傾向にあります。
ちなみにIT系のオペレーターは、事務系のスキルはクリアしている場合が多いです。
難しいのはエンジニア採用されるような人の仕事だけです。
運営でもナレッジシステムをメンテナンスするプログラマーの人もいます。この人たちも例外ではありません。
採用してから短期間でかまわないので、電話をとる仕事を経験してもらった方がいいと思います。
現場の経験にこだわるかというと、現場を知らないがゆえに出てくるおかしな部分を、自らおかしいと気づいてもらうためです。
先程申し上げたように、運営の仕事は管理が仕事ではなく、営業企画に近い仕事です。
オペレーターがいかに動きやすくするか、それを考える仕事だと思っています。
管理しようという意識が強すぎると、コールセンター内に不協和音が出てきます。
運営と現場が水と油のようでは、良いコールセンター運営ができるはずがありません。
オペレーターから見てもさすがだなと思われる仕事を目指していただければと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。