こんにちは。タカヤマタクマです。
今回はクレーマーを排除することによるメリットを取り上げます。
特にコールセンターの利益面への影響について、触れていきたいと思います。
「店長になったのでクレーマーを全員出禁にしたら」という話
先日あるニュースを読みました。以下のニュースです。
店長になったのでクレーマーを全員出禁にしたら… その結果に称賛のコメント集まる
要約すると、ある飲食店でアルバイトとして働いていた人が、店長になってクレーマーを全員出入り禁止にしたところ、利益が三倍になったというものです。
とかく日本の会社は「お客様は神様」と考えがちです。
経営者のそういう考えを補強するものとして、顧客満足を高めると、自社のファンやリピーターとなり、結果として会社の利益が向上したという話があります。
しかしそれはクレーマーには当てはめてはいけないことに、そろそろ気づいた方がいいと思います。
普通の顧客に対して親切にサポートするということは、純粋に会社の利益面に貢献することは疑いがありません。
しかしクレーマーの場合は、その判断を180度変える必要があります。
そういう普通の客のような行動が望めないからこそ、クレーマーなのです。
日々クレーマーに接している立場として言わせていただければ、どんなに適切な対応をしても、文句や不満が減ることはありません。
なぜならクレーマーの場合は、彼ら自身の中にクレームの火種があって、自分でその歪みに気づかないといけないという、とても困難な問題があるからです。
しかしクレーマーからの電話は、長時間になったり上司への対応を依頼してきたり、とにかく人件費を圧迫します。
そしてクレーマーに限って、頻繁に電話をかけてくるものです。
その追加コスト、そして運営面の困難さが高まった結果、目に見えないコスト負担が増えてしまいます。
クレーマー対策が進まないことの原因には、その追加コストの可視化が難しいという背景があります。
そこでここはひとつシンプルに考えてみることをおすすめいたします。
クレーマーはコストがかかり、利益を圧縮する存在なのだと。
クレーマーは職場の快適さを損なう存在
先ほどの記事では、利益が三倍になったとありました。
それはクレーマーが周囲の客に及ぼす影響によって、お店の雰囲気が良くなり、客数が増えたということだと思われます。
コールセンターの場合、オペレーターと客は一対一で電話をするので、それには当てはまらないように思われるかもしれません。
しかしクレーマーの存在は、オペレーターの離職率に大きく関わります。
先程のお店の事例については、こんな反響の声もありました。
「快適な空間にこそ人が集まります」
店長になったのでクレーマーを全員出禁にしたら… その結果に称賛のコメント集まる
コールセンターの場合は、クレームを受けている人が少ない環境の方が、働く人が定着しやすいということになると思います。
以前も述べたことがありますが、コールセンターの最大の問題の1つは、離職率が高いということです。
どんなにおしゃれで快適な空間で働いていても、電話を通じて地獄のような状況に直面している人の目には入りません。
快適な空間とは、理不尽なクレームに苦しむ人が少ない職場という意味も含まれているはずです。
むしろその対策さえしっかりしてくれたら、どんなボロボロのオフィスでも快適です。
離職率の高いコールセンターと低いコールセンターの違い
私はいくつかのコールセンターで勤務して、おおよそコールセンターというものは離職率が高いものだと知っています。
しかし同時に、離職率が高いコールセンターと、低いコールセンターがあることも知っています。
離職率が高いコードセンターは、運営面に問題を抱えてる場合が多いです。
運営に問題を抱えているコールセンターは、クレーマー対策もできていないのが一般的です。 これは間違いありません。
例えばコールセンターというものは、クレームがあっても当然だし、どんなお客様でも誠実に対応しなければいけない。
そういう精神論に凝り固まっているコールセンターは、間違いなく定着率が悪いです。 当然のように離職率も高い水準で推移しています。
結果として、常に新人オペレーターが多くなり、サービスレベルが上がりにくいという悪循環に陥っています。
しかし中にはクレーマーをしっかり識別するルールがあり、それに対する対応を整備しているコールセンターもあります。
その場合はオペレーターにしわ寄せが行きにくく、負担が軽減されるため、オペレーターの離職率が下がります。
精神論ではなく、そうしたシステム的な問題と考えた方が良さそうです。
クレーマー対策ができていればオペレーターが辞める理由がなくなる
ではクレーマーと離職率に関して、相関関係を示すデータがあるかと問われればそれはありません。
そもそもデータをとること自体、容易なことではありません。
というのはクレーマーとの電話対応そのものが、直接のきっかけではないケースも多いからです。
クレーマーからの常軌を逸した電話というものは、電話対応の恐怖に繋がり、遅効性の毒のようにゆっくり確実にオペレーターを蝕みます。
会社がオペレーターに我慢を強いているだけセンターについては、運営面のお粗末さに対する不満もそこに加わります。
それを辞める時、わざわざ事を荒立てて教えてくれる人はいません。
考えてみていただきたいと思います。
もしクレーマーからの電話が少なく、たとえあっても運営側がオペレーターに我慢だけを強いることがないとしたら、コールセンターの仕事の何がそれほど嫌で辞めるのでしょうか。
お金だってそんなに悪くないはずです。辞める理由がありません。
私がこれまで辞める人から聞いた話では、クレーマーからの電話だけでなく、運営面の不備に対する不満がとても多いです。
逆に考えると、オペレーターに負担がかかりにくい仕組みがあったり、クレーマーを排除する仕組みがあるコールセンターでは、オペレーターが辞める理由がなくなり、定着率が高くなります。
オペレーターの不満を減らすことによって、結果として定着率を高まり、採用・育成コストを低減することができるようになります。
クレーマーをどう排除していくかについては、それだけでいくつもの記事を書かなければいけません。
今回は総論とコールセンターの運営コストを下げるという点に絞って書きました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。