こんにちは。タカヤマタクマです。
今回はスーパーバイザーの人選をする時の注意点を取り上げたいと思います。
スーパーバイザーによくある人事配置
スーパーバイザーの人選は大変重要です。なぜなら現場の品質を直接左右するからです。
しかし上からは現場監督程度にしか思われていない場合があります。そのため大変残念な事態が起こることがあります。
私がこれまで所属していたコールセンター全てであったことですので、おそらく珍しいことではないと思います。
ある日突然その業務の経験がない人が他から来て、スーパーバイザーになることがあります。
その人は会社のスライド人事であったり、高学歴で高いスキルを持っていた人間であったり、様々なパターンがありましたか、現場経験がなく他から来た人が一度たりともきちんと機能していたためしがありません。
スーパーバイザーはオペレーターから相談を受け、指示を出す仕事です。
しかし他から来た人は、適切な答えを出すことができません。またそれを求めるのも酷というものです。
誤った人事の背景にある考え方
この落下傘的人事の背景には、誤った考え方があると思います。
その人が優れた人だからその仕事が務まるだろうという楽観的な考え方です。
実際にスーパーバイザーの仕事に就いた人は、東京大学、一橋大学、しかも大学院卒と言ったハイスペックな人達が多かったように思います。
しかし誰一人として有効にその現場で機能していた人はいません。
本来は一定期間現場で電話対応を経験してから、スーパーバイザーに着任した方が業務に入りやすいと思いますが、おそらく人事的に降格扱いとなりかねないその種の判断は、組織として難しいでしょう。
また時にはその人に経験を積ませようという意図が伺える場合もあります。
しかし現場を経験していないと、その人達からエスカレーションを受ける立場として、適切な判断や助言を行うことが難しいと思います。
現場は独特な細かな判断でリスクと回避したり、うまく回しているものです。いわば現場の機微というものです。
もしこれを読んでいる方の上司として、ある日突然その仕事の経験がなく、高学歴な人が着任したらどう思うでしょうか。有効に機能すると思うでしょうか。
先程私は、大きな誤りと申し上げました。
スーパーバイザーの仕事は、現場の酸いも甘いも噛み分けた人間でなければ、実際に良い仕事はできません。その現場で実力が他の人に認められた人でないと難しいと思います。
強い人間が勝つのではありません。勝った人間がその現場では強い。つまり有効なのです。
スーパーバイザーは実力主義の内部昇格が良い
スーパーバイザーは基本的に内部昇格で人選すべきです。つまり実際にその現場で対応していて、業務に詳しく対応品質が高い人間が着任すべきです。
良くも悪くも電話対応の現場は、実力でしか動きません。
実力以外の不純物が混じってくると、少なからず現場の空気が悪くなります。
業務のことをよく知らないのに権限だけがある人がいると、それを自分に有利なように利用しようとする人が出てくるものです。
ある人から聞いた話ですが、あるコールセンターで経験がないのにスーパーバイザーの仕事を任された人いて、自ら仕事が務まらないと判断して異動を希望したそうですが、その後任も同じく経験がない人だったそうです。
そしてやはりその人も機能しませんでした。
結果としてそのコールセンターからベテランを中心に多くの人間が立ち去り、対応品質が低下してしまったため、委託元の会社から契約を更新することができなくなったそうです。
スーパーバイザーの力の源泉は、必ずしも組織的な権力構造ではありません。
困っているオペレーターを支援することによってはじめて得られるものです。 言葉は悪いですか、やくざのケツ持ちみたいなものです。
現場が困った時その背後にいてきちんと火消しをしてくれるだろうと思わせる存在、それが良いスーパーバイザーです。
現場の仕事は綺麗事でもなければ、決して論理的に整合性がとれることばかりでありません。
こみ入った案件が持ち込まれた場合、綺麗な論理の中で無傷で完結することはほとんどありません。
だから現場対応能力が高い人間が着任すべきです。
スーパーバイザーがしっかりしていれば、たとえどんな事態になっても最低限現場は回りますが、機能しない場合は平常運転もままなりません。実際私がこの目で見てきたことです。
人を落下傘のように着任させたり、経験を積ませたりする場ではありません。
私が実際見てきたのは、着任した人と現場オペレーター双方にとって、とても残念な結末になるケースばかりです。
もしコールセンターの人事権限をお持ちの方は、くれぐれもご留意ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。