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2019年10月

「好意の返報性」を利用して顧客満足を高めることの必要性について

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こんにちは。タカヤマタクマです。

今回は「好意の返報性」について取り上げます。

日本では「情けは人の為ならず」ということわざがありますが、それを意識するだけで顧客満足が高まります。 


「情けは人の為ならず」の定義

「情けは人の為ならず」という言葉は、とても誤用も多い言葉ですが、本来は次のような意味です。

「情けは人の為だけではなく、いずれ巡り巡って自分に恩恵が返ってくるのだから、誰にでも親切にせよ」という意味である。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 これはコールセンターで働く人にとって、重要な言葉のように思います。

情けは自分に返ってくるのですから、辛い電話対応が続いている人は、ぜひ今一度噛みしめてもらいたいと思います。

ただ私も聖人君子とはほど遠い人間ですし、決してきれいごとを言うつもりはありませんから、予めご安心ください。

あるオペレーターの話

私は昔あるコールセンターでスーパーバイザーをしていました。

当時は部下のオペレーターにある女性がいました。

仮に彼女をAさんと呼びたいと思います。 Aさんはオペレーターとして大変優秀だったと思います。

特に際立っていたのが洗練されたトーク力です。 敬語の使い方はもちろん、話し方全般において大変秀でていました。

しかもAさんの場合は頭の回転も早く、たとえ自分に都合の悪いことでも、彼女にしかできないような巧みな言い回しで、うまく回避することができました。

しかし一方で問題もありました。

その時のコールセンターでは、会員登録をしていた顧客には、会社のシステムから後日メールが送られるようになっていました。

そのメールにはアンケート用のウェブサイトに、リンクが張られています。

そのアンケートには、電話対応についての個別質問と、最後に総合評価をつけるようになっていました。

Aさんはその総合評価が、あまり高くありませんでした。目立つのは、個別項目では高得点なのに、総合評価の5が少ないことです。

他の人は個別のアンケート項目では低評価でも、総合評価で5のケースが多いのですが、Aさんの場合は正反対でした。

その時私は、QC担当から月次報告書を受ける立場にありました。

その報告に彼女の評価がありましたが、QC担当からいつも同じようなことが指摘されていました。

また同じようなことを客から言われているようです。

いくら丁寧に話していても、なんとなく気に障るとか、言葉にトゲがあるという人もいたそうです。


何が彼女の評価が上がらない原因だったのか

ただ他の人でもそういうことを言われてる人がたくさんいます。

しかし彼女はいかにもそういう感想を持たれそうな、いわゆる塩対応をしている人とは違います。

彼女の電話対応を聞いても、言葉にトゲは感じません。常に破綻のないトークで、露骨に態度に表すような人ではありませんでした。

しかし一つ心当たりがあります。

彼女はとても勝気な性格で、よくこの客はああだったとかこの客はこうだったとか、電話対応が終わった後に辛辣に言うことがありました。

もちろん彼女が優秀なせいで、他人の落ち度が見えやすいのかもしれませんが、そういう発言の頻度がとても高いと思っていました。

なぜこんな話を思い出したかということ、先日フリーアナウンサーの宇垣美里さんについての以下のニュースを読んだからです。

BLOGOS 宇垣美里「悪くないのに謝るときは"私が美しすぎて、あなたより頭が良くて人間的に優れていてごめんなさい"と思いながら謝る」

私はこの記事を読んだ時、Aさんのことを思い出しました。確か彼女もそんなようなことを言っていたような気がするからです。

私は長年電話対応をしてきて、いつも思うことがあります。

半分被害妄想も入っているとは思いますが、客はこちらのほんのちょっとした言葉にも、とても敏感です。

おそらく宇垣美里さんはAさん同様に、とても頭の回転の速い人だと思います。

ただ本人がどんなにうまく演じたとしても、客というものはほとんど超能力とも言える程に、こちらのネガティブなニューアンスを読み取ってしまう場合があります。

Aさんの場合、決して冷たさを感じさせるトークではありません。それを含めて完璧です。

ただ彼女の想定以上に客を見下すようなところを、読み取られてしまったかもしれません。

コールセンターは客商売なので、本来は客を見下す時点でいけないだろうと言いたい気持ちも分かります。

しかし私はあえてそれを言いません。 「お客様は神様です」という言葉は、私も嫌いです。

しかしプロだったら、それを相手に悟らせてはいけません。思ってもいいけれど、それを悟らせたらプロではありません。

私が親切心を高める為にしている工夫

私は電話対応の時に、客に親切にしようと考えています。

しかし私も聖人君子ではありませんから、毎回それを実践できるわけではありません。

ただ私は自分なりのノウハウを持っています。

それは客と自分との接点を見つけ、そこから親近感を覚えて、その接点を根拠にして、その人に親切に対応しようというものです。

例えばある時は、自分と同い年か、もしくは父親、母親と同い年だったら親切にしようとか。もしくは自分の出身県と同じなど、何でもかまいません。

根拠もなくただ仕事だからといって常に相手に対して親切心を持てというのは、私にとって難しいことのように思います 。

しかし、何かほんのちょっとした接点を見つけて、その接点を小さな根拠として、相手に親切にしようという気持ちを奮い立たせようと思っています。

では接点が見つからなかった客に対して、失礼な対応するかと言ったらそうではありません。

おそらく表面上の対応では、ほとんど変わらないと思います。

今私は当時と違うコールセンターで、オペレーターとして働いています。

先ほどの仕組みとは違いますが、客から直に評価を受ける仕組みがあります。

そして後日通知される最高の評価を受けた電話対応を思い出してみると、私が接点を見つけて、親切にしようというモチベーションを高めた客が多いように思います。

おそらくは論理的に説明できないレベルでこちらの好意が伝わり、 それを察知した相手から好意が返ってくるのかもしれません。





自分の為に相手に親切にすると意識することの必要性

少し前に知った言葉ですが、「好意の返報性」という言葉があります。

これはこちらが好意をもって接すると、相手からの好意が返ってきやすいという意味の言葉です。

「情けは人の為ならず」は、更に日本の情緒に根差した歴史と含蓄のある、きわめて日本的なことわざだと思います。

そして今も日本人は、そういうメンタリティで物事を考えて電話をかけてきます。

電話対応をしているとうんざりすることも多いですし、こちらの好意を踏みにじるような対応をされてしまうこともあります。

常に親切にしようと気張るのも現実的ではありません。

しかし時々でいいので、客に対する親切心は自分の為だと自分に言い聞かせてみるといいかもしれません。

もし何もきっかけなしでそれができないのならば、私のように自分と同い年だけとか、同県人のみと決めてもいいかもしれません。

こういうちょっとした工夫をするだけで、仕事のストレスを少し緩和できるように思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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スーパーバイザー不在時の運営体制という上位管理者の判断領域について

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こんにちは。タカヤマタクマです。

今回はスーパーバイザーが不在の時にどうするかについて書きたいと思います。

おそらく何も考えていないコールセンターはないと思いますが、その対策が充分ではない場合も多いと思います。


常に発生するスーパーバイザーの不在という問題

たとえスーパーバイザーがいても、常にオペレーターから質問に答えられる状態とは限りません。

今回の問題は、他のオペレーターからの相談でスーパーバイザーが相談できない場合も、含めて考えた方がいいと思います。

質問したい時、その受け皿がいないという意味では同じです。

つまり、この問題はスーパーバイザーがいてもいなくても、必ず発生する問題と考えておくべきだと思います。

もちろんスーパーバイザーも人間ですから、体調を崩してお休みをする場合もあるでしょう。

そういう場合どのコールセンターでも、必ず何かしらの対策はあるでしょう。

ただ私がこれまで在籍していたコールセンターでは、どこもあまり良いとはいえない対策でした。

私はこれまで3つのコールセンターで働いてきましたが、この点においては3つのコールセンター全てで、充分とはいえなかったと思います。

人員が足りずギリギリで仕事を回しているという事情もありましたが、それであれば尚更、スーパーバイザー不在時の対策をしておくべきです。

もし充分な対策がなされていない場合、どうなるでしょうか。

私の経験では一時的に大変だったけれどなんとか切り抜けた感じではなく、多くの問題を抱えて今も終わっていないけれど、とりあえず一日が通り過ぎてくれたという感じになります。

私はそういう状態のコールセンターで、火中の栗を拾うような形で、スーパーバイザーに就任したことがあります。

しばらくの間、その時に発生した問題を解決する仕事と、日常業務を回すので本当に大変でした。

引き継いだ頃は、オペレーターが辞めて現場がもっと回らなくなりましたし、完全に決着が付いていないクレームの敗戦処理と、その件についての社内処理に追われました。


ベテランオペレーターの活用

大きなコールセンターの場合は、同じ業務をしている隣のスーパーバイザーなどに、相談しに行くことができるかもしれません。

緊急時のフローとしては残しておいてもいいと思いますが、私は通常のフローとして、隣のグループのスーパーバイザーに聞きに行くという方法をおすすめしません。

その場合は、隣のスーパーバイザーが他の質問者で埋まって空いていない確率が高いので、聞きたい時にすぐに聞けないという問題が発生しがちです。

たとえばスーパーバイザーが病気で数日寝込むかもしれません。

それでもその間ずっと隣のグループのスーパーバイザーに聞きに行くという運用は、あまりにも場当たり的だと思います。

まず現実的な方法で、一番手軽な方法からご紹介しましょう。

一番手っ取り早いのは、ベテランで優秀なオペレーターをスーパーバイザー代行として指名しておいて、いざという時にスーパーバイザーの仕事をしてもらうという方法が考えられます。

これには多くのメリットがあります。

1.急な不在時でも、業務に支障が出にくい
2.その業務のことをよく知っている人が業務にあたるため、適切な指示を受けやすい
3.ベテランオペレーターのモチベーションを高めることができる

つまり現場叩き上げの人ですから、業務に支障が出にくいというメリットがあり、加えて人材育成も兼ねているというメリットがあります。

私がこの方法をおすすめしたいのは、特に人材育成の観点で優れているからです。

ほとんどの運営管理者の方が考えている以上に、スーパーバイザーの人材育成は大変なものです。

何人試してもうまくいかなくて、数年かけてようやく軌道に乗ったということも少なくありません。

もちろんその間は現場が荒れますし、離職者も増え、クレームも増えるでしょう。

まず離職率が高いコールセンターの業務に長く勤務しているということだけで、その人は適正のある可能性が高い人ですし、仕事をしていれば自然と知識が増えてきます。

そういう人を次期スーパーバイザー候補として囲い込んでおくと共に、その教育も兼ねてオペレーターの質問の受け皿にしておくと、いざという時に有益です。

まるで急に監督が辞めた時、助監督が指揮を執るスポーツチームのごとく、比較的スムーズに業務を継続できます。

バッファローとしてのQC担当

もう一つ私がおすすめしたい方法申し上げます。

先程の方法の弱点は、ベテランオペレーターが臨時でスーパーバイザー業務に専念すると、現場では優秀なオペレーターを1人失うということです。

2つめのおすすめは、その点を勘案したものです。 オペレーター経験が豊富な人を、一旦はQC担当にして普段はQCの仕事をしてもらいます。

そしてスーパーバイザーが不在時、もしくは手が空いていない時に、質問の受け皿になってもらう方法です。

私はこの方法を一番おすすめしたいと思っています。

まず現場あがりの人を活用するという意味で、先程と同じメリットがあります。

加えてQCの仕事をしていると、とかくきれい事とか結果論に傾きがちになってきます。現場感覚を残している人がQCをやることは、QC業務上でも有益だと思います。

時にはきれいにいかない時もあることを分かっている人の方が、適切にオペレーターの評価をすることができると思います。

一方でQC担当は通常、録音した電話音声を聞くという仕事ですから、緊急性が必要ありません。

まずは時々スーパーバイザーがちょっと手が開かない時、受け皿になってくれるだけでいいと思います。

もちろんそういう運用をする時には、QC担当の仕事内容を整理し、予め業務負担を軽くしてあげなければいけません。

ISOを取得しているコールセンタでは、QCの仕事も詳細まで定義されているので、柔軟な対応が難しいかもしれません。

ただそれ以外のコールセンターでは、もし急にスーパーバイザーが不在となった時、一時的にQC業務をとばして、スーパーバイザー業務へと振り替えてしまうぐらいでもいいかもしれません。

スーパーバイザー不在というのは現場にとっての非常事態ですから、そのぐらい思い切った対応を考えてもいいと思います。

必ず毎月評価をするということにどれだけ意義があるのか、形式を守ることと、非常時の現場の仕事を回すこと、どちらが大切か考えてみると、自ずから答えが出てくると思います。


上位管理者の役割

スーパーバイザーが不在の時の役割分担については、スーパーバイザーやQC担当自らが、自分たちの業務負担を増やすような提案をすることまずありません。

センター運営を統括する上位監督者がトップダウンで指示しないとアイデアも出ませんし、動かないものです。

上位監督者の方にチェックしていただきたいポイントは2つです。

スーパーバイザーが、急に長期間不在でも、無理のない体制になっているかどうかです。

強調したいのは、「急に」というところと「長期間」の不在のところです。

あえて「急に」ということを強調したかというと、スーパーバイザーの人材育成は難しいですし時間がかかりますから、普段からいつでも交代できるような人を、予め準備しておく必要があるということです。

長期間」とは、その業務に精通していない人を急遽スーパーバイザーとして連れてきたり、隣のスーパーバイザーに聞きに行くといった付け刃的な対応で、長期間問題なく現場を回せますかということです。

そんなことはめったにありませんなどと言いくるめられてはいけません。

先程述べたように、この問題はスーパーバイザーがいても日常的に発生する問題だからです。

たとえばある深刻なクレームに、長時間スーパーバイザーが拘束されることは日常茶飯事だと思います。コールセンターによっては、会議で時間をとられることもありますよね。

そういう現場責任者がいない時に、不測の事態が発生しないとも限りません。むしろそういう時だからこそ、問題が発生するものです。

スーパーバイザーが常にいるという前提に立つということは、リスク管理の点から好ましくありません。

コールセンターのリスク管理とは、まさしく上位管理者が判断しなければいけない領域です。

コールセンターの上位管理者の方は、スーパーバイザーの不在を日常的な問題だと考え、今のルールが目先を切り抜けるだけの苦し紛れの方法になっていないか、そこをチェックしていただければと思います。

そこが上位管理者の方の腕の見せ所ではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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プロフィール

タカヤマタクマ

私はこれまで3つのコールセンターにて合計15年間、電話対応をしてきました。

その経験を活かして、コールセンターの仕事に従事する人に向けて、役立つ情報を発信していきたいと思っています。

今後とも宜しくお願い致します。

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